ビリンバウを作るのにふさわしい木というと、まず真っ先に思い浮かぶのがビリーバ(biriba)ですよね。実際、ブラジルでカポエイリスタたちに同じ質問をしてもほとんどの人たちがビリーバだといいます。しかし裏を返せば、多少年季の入った人かそれなりの関心を持って調べている人でない限り、ビリーバ以外の木の名前を知っている人のほうが少ないのです。

これは詳しく調べないといい加減なことはいえませんが、いつごろからかどういう理由からか、ビリーバだけが急に有名になってしまったんですね。これはまだほんの最近のことだと思われます。カポエイラ関係の少し古い資料をめくってビリンバウに関連するところを見渡してみても、ビリーバという名前はほとんど見かけません。そのかわりにグアタンブー(guatambu)、タイポッカ(taipoca)、パウ・ペレイラ(pau-pereira)といった名称が見られたりします。

ここでは今日バイーアのサルヴァドールで使われている、ビリンバウによいとされている木を紹介したいと思います。

4madeiras 写真が小さいこともあって、みんな同じに見えるかもしれませんが、左からビリーバ、コンドゥルー、マサランドゥーバ、タイポッカです。

以下にそれぞれの拡大写真を載せましょう。

ビリーバ(biriba)

biribaこれが知名度ダントツのビリーバ(biriba)です。

ビリーバは確かにすばらしい木ですが、他の木に比べて重いのが難点です。重ければそれだけ操作性は鈍りますからね。たとえばサンバの世界ではパンデイロのジングルをアルミ製に交換したりして、ほんの数十グラムの単位で軽量化を図りますが、カポエイリスタはその点鈍感なようで、小指がちぎれるような重たいビリンバウを何の疑いもなくありがたがっていますね。

生えているビリーバに関心のある人は、カポエイラ探検隊2005のときに行った「ビリーバ狩り」の報告も見てください。

コンドゥルー(conduru)

conduruこれはコンドゥルー(conduru)という木で、ビリーバよりずっと軽量ですが、ビリンバウの素材としては加工のしやすさといい弾力性といいすばらしい性能を持っています。グンガからヴィオラまで、高品質な音を追求することができます。

私の親しいメストリの中ではメストリ・ジャイメ・ド・マル・グランジ(Mestre Jaime do Mar Grande)がコンドゥルー製のビリンバウが大好きで、彼のビリンバウはほとんどコンドゥルーです。

私も昨年バイーアに行ったときにたくさん持って帰ってきました。すでにすごい音のが何本もできましたよ。

マサランドゥーバ(massaranduba)

massarandubaこれは上のコンドゥルーと一見そっくりなのですが、マサランドゥーバ(massaranduba)という木です。カポエイラの歌にもありますよね、
madeira de massaranduba / madeira de jequitiba 聞きたい人はメストリ・ボカ・ヒーカのCDがおすすめです。

私個人的にはまだあまりなじみのない木なので、ビリンバウのヴェルガとしてどの程度の性能を持つかはよく分かりません。アタバキの樽木にもよく使われますね。

タイポッカ(taipoca)

taipocaこちらは一見ビリーバと見間違えやすいですが、手にとって見ればすぐ分かります。超軽量なんですね。タイポッカ(taipoca)という木です。サルヴァドールでも容易に入手できます。

本当に軽量なので、ビリンバウ初心者の方で、持つ手がすぐ痛くなってしまうという人にはお勧めだと思います。

ただ軽い分、少々弱いようなので、弦を張るときには少しずつジワジワとしならせるのがポイントです。一度にガッと行くと折れてしまう危険性があります。

上に見たもの以外にもいろいろありますよ。カンデイア(candeia)という木もビリーバより軽く、弾力性、復元力ともに抜群で、私は大好きです。サルヴァドールではパウ・ダルコ(pau-d’ arco)とかアラサー(araca)などもよく知られています。

日本のホームセンターに売られている竹でも、結構いいビリンバウが作れるんですよ。

ビリンバウを選ぶときには、木のブランドにとらわれず、音質第一で選ぶのが賢明だといえますね。

(カポエイラ研究室 2007年2月の記事から転載)